噂の写真展

噂の写真展を見てきた。新宿ニコンサロンで開催されている従軍慰安婦の写真展だ。ニコンが一方的に中止を通告したようだが、東京地裁から使用させるようにという仮処分が出され、開催できたとのこと。会場に来てみると警備員さんがいて、金属探知器でボディーチェックをされた。何だか物々しい雰囲気だ。

内容は、従軍慰安婦として中国に渡った人たちのポートレート。僕はメンタルが弱いので、会場に来るまではちゃんと見られるか少し不安だった。祖国に帰れず、どれだけ苦しい人生を送ってきたのかは、僕には知る由もないのだが。ただ、僕が数年間うつ病で人生思い通りにならなかった（と勝手に思い込んでいた）ことと少し重なるものがあった。比べられるものではないが、直視しなきゃいけない現実だよね。

それにしても写真って恐ろしいなと思った。下手したら事実を歪曲しかねない。そのことはこの作者の方も同じ考えらしい。そもそも「写真」という枠に当てはめる時点で、物事を100%伝えることができるかどうかも怪しい。これら一連の写真がドキュメンタリーなのであれば、一枚一枚の写真には説明が付くのかもしれないが、言葉が加われば（仮に事実と違っても）既成事実として認識される可能性がある。テーマがテーマだけに、無くて良いのかもしれない。

18時半閉場で追い出されてしまい（早すぎないか？）、最後までちゃんと見たわけではないが、色々なことが頭の中でループした。が、自分は写真で何かをしなければいけないワケでも無いし、気楽だよな（笑）