アントワーヌ・ダガタの写真を見て思い出した
5ヶ月ぶりの更新、生きております。
少し前に、渋谷のアツコバルーで開催されていたアントワーヌ・ダガタの写真展を見に行った。写っているものと言えば、麻薬中毒患者、娼婦、囚人、戦争で破壊された町(リビアの内戦の写真らしいです)の景色など。何もかもが壊れている、地獄絵図としか言いようがない。ドラッグに心身を破壊され、しかしドラッグに依存しないと生きていけない、ギリギリのところで繋がっている命の営みが何とも虚しく感じられる。
写真から迫ってくる狂気には身に覚えがある。僕がうつ病だった数年前のこと。理性も何もかもぶっ飛んで、暴言を吐いたりしていた。止めの一言といえば「生まれてこなければ良かった」。これで何度も親を泣かせたことがあった。言ってはいけないことだと思うが、心身狂ってたから仕方がない。その頃は「今の辛さと、死の恐怖を天秤に掛けてどちらが・・・」なんて考えたりもしたくらい、皮一枚のところで命を繋いでいた。要するに何もかもが壊れていたのだ。
それから今は調子を取り戻すことができた。ダガタの写真を見て久しぶりに壊れた感覚を思い出したが(別に思い出したいワケじゃないけど)、壊れた以前の自分が、同じ自分であるのがにわかに信じがたい。