カラーか、モノクロか
福島で撮影したモノクロを60枚ほどプリント。
撮っている内容がバラバラなのはともかく、モノクロで言うところの「ピント」や「輪郭」っていうのが、だんだんと見えるようになってきた(気がする)。
トーンやコントラストには、まだ少しバラツキがある。またテーブルいっぱいに並べてみて、どのイメージで進めるか絞り込むことになる。そしてまた撮り直しに出かける。
カラーでもそうだが、ハイライトは飛び、シャドーが落ちて写らないのが、個人的に良い感じで好きだ。
次のシリーズ(?)では、何で作品づくりをするか、まだ決めかねていて、カラーネガや、デジタルインクジェットでも試しにプリントしてみようと思うのだが、考えてみたらカラーのときはカラーの、モノクロのときはモノクロの撮り方をしているので、比較しても意味がない気もしている。
Nikon NewFM2 + Ai NIKKOR 35mm/F2S + トライX
秋の夜長の暗室
練習がてら、久々にモノクロプリントをした。
ネガは、これもまた久々のハッセルSWCで撮ったもの。
SWCというのは、ハッセルブラッドの超広角専用カメラ。
構造により、画角が約90度の超広角レンズが、それ専用のボディーに固定されている。一眼レフではなく目測なので、ファインダーを覗いてピントを合わせるということができない。
超広角だから絞りを絞ってパンフォーカスで撮れると思われがちだが、ピントはけっこう薄い。かと言って、∞(無限遠)に合わせて遠景を撮るのは、単調で面白みが無いし、レンズに撮らされているだけだと思う。
どんな場合で威力を発揮するかというと、狭い場所など比較的近い撮影距離ではないかと思っている。ヒューマンレンジファインダーが撮影の機会を増やしてくれた。一発で簡単にピントを合わせることができてしまう。詳しくはこちらを参照してみてください。(http://d.hatena.ne.jp/satorw/20100705)
しかしプリントした写真を見て「これもやっぱりレンズに・・・」と思わないことも、ない。正方形で超広角は本当に難しい。
HASSELBLAD 903SWC + Biogon 38mm/f4.5 + T-MAX400
ピントは合った、まぁまぁ
6月からプリントしたままになっていたモノクロを、久々に見てもらった。「ピントが合ってない」ということで、とりあえずピントだけを意識して撮り直したもの。フィルムはT-MAX、印画紙はオリエンタルのRC。
モノクロ写真で言うところの「ピント」というのは、物理的なものとは意味合いが違うらしい。色が無いぶん、輪郭を出さないと、人は見てくれない。撮る必要の無いものを撮っているのだから、ここを見ろという主張が大事なのだという。
頭では少しずつ理解できてきたが、一体何処にそんな輪郭が存在するのかと、たった12枚だけなのに1ロール消費するのにも苦労した。
結果は、ピントとか輪郭に関して言えば、正解だった。モノクロは向いてないんじゃないかと思っていたが、ちょっとひと安心。次はバライタ紙で焼いてみるという課題。だけど、カラー印画紙をいっぱい買ってしまったではないか。
タグ:Rolleiflex 銀塩写真
色が出てきた
出そうか迷ったのだが、一枚だけ最近の写真を載せることにする。
個人的には色が豊かになったとか、深みが出てきたような気がするのだが。それに比べて以前のは色がくすんだ感じだ。カラーネガのコツを掴めたと思うのだが、どうだろうか。
ベタ焼きを見て「これは行けるな」というのが増えてくる。
前回までは何を撮ってプリントしていいのか分からず、暗中模索の状態だったが、アレもコレもプリントして、良いなと思えるのが以前より増えた。
「色が出てきたね」ということで、ひとまず師匠からもOKをもらうことができた。そのうえで新たな問題点を見つけ、撮り直しに行って、またプリントするのだ。
別に特別なことは何一つしていないと思うのだが、撮り方が変わったのかもしれない。一枚だけなので、あとは展示でのお楽しみということで。
展示は9/20(火)〜25(日)です。詳細は追ってお知らせいたします。
タグ:Rolleiflex 銀塩写真
梅雨明けの日、クーラーのある暗室
関東でも梅雨明けを迎えた日、気温は高いが、しかし空気はカラッとして風も吹いていて、心地よい感じがする。
原発事故のこともあり、電気の節約を、と思うが、休日は平日ほどの電力需要はないだろうから、少しは心置きなくクーラーが使えるだろうか。
暗室にはクーラーは欠かせない。伸ばし機やプロセッサーや乾燥機から熱が出てくる。モノクロならセーフライトの電球もある。もちろん人間からも熱が発せられる。恐らく窓をキッチリ目張りしてる黒い紙やカーテンも太陽光から熱を吸収しているに違いない。ちょっと前にクーラーが故障していたことがあり、ちょうど自分が暗室にお邪魔していたときで、サウナ状態で外のほうが涼しかった、ということがあった。
クーラーの無かった時代は頭にタオルでも巻いていたのだろうか。写真の泰明期は、印画紙用セーフライトもロウソク(ミッドタウンの富士フイルムのギャラリーに展示されている)だったらしいので、機器類を使わずとも、火という熱源を暗室に持ち込んでいたことになる。
自宅にはクーラーが無く、夏は自宅でモノクロプリントができなくなりそうだ。液温が上がって、印画紙をバットに滑り込ませるや否や、いきなり像が出てきてしまう。普通はジワジワと像が浮かんでくるのだが。。仕上がりに影響がありそうだが、そもそも暑くて熱中症になってしまいそう。既に写真熱中症にはかかっているが(笑)
でもモノクロプリントを諦めるよりも先に、2B暗室でやっているカラープリントのほうのコツを掴みはじめてきたので、夏のグループ展はカラー写真にしようと思う。前回まで一言も無かったが、今回は師匠から「これ良いね」が聞けた。モノクロか迷ったが、ようやく決心がついたみたいだ。
モノクロ写真とピント
家で印画紙をチャプチャプ。ようやく6×6用ネガキャリアも手に入った。
今は扱いが楽なRC印画紙だけでプリントしている。RCとはresin coatedのこと、紙をプラスチック樹脂でコーティングしてあるので、短い水洗時間で現像液などの薬品を洗い流すことができる。それに対してバライタ紙というのがある。バライタとは硫酸バリウム(baryta)のことだが、紙に直で感光材が塗られていて、現像液も紙の繊維にまで染み込んでしまうので、水洗が1時間から1時間半かかる。しかも乾燥すれば紙はカールするし、繊維も縮んで、ドライダウンと言って現像直後よりトーンが濃くなってしまうから、それを計算したうえでプリントしなければならない。そんな扱いの難しいバライタ紙は、感光材の層が厚いのでトーンも豊かで黒も締まる。(RCは感光材が薄いのと、プラスチックに光が反射してしまうので、黒がくすんだ感じになる。)
でもそれのどちらが良いとか悪いという話ではない。表現というのはアウトプットに依存するし、写真史というのも撮影機材やフィルム印画紙の性能による部分がとても大きいということが、自分が見聞きしたり調べたりするうちに分かるようになってきた。
だからRCならRCの、今の時代であればデジタルならデジタルの、表現できるものを表現すれば良いということ。以前にトークショーで北井一夫氏もそんなことを言っていた。
自分で言ってみたものの、実際は話の上でしか理解できてない。まだまだネガフィルムや印画紙のポテンシャルを活かしきれてないのだ。
閑話休題。
その扱いの楽なRC印画紙で、数をこなす。何が何だか分からないまま撮って、とりあえずプリントする。5300円もした、六つ切りサイズ(A4より一回り小さいくらい)が100枚入りの箱はあっという間に空になってしまった。
そして師匠のところへ持っていき、手に取るや否や師匠からはピントが来てないと言われる。ここで言うピントとは単に物理的なものを指しているのではなく、トーンとか輪郭の話。被写体とまわりのトーンが同じで、輪郭が取れてない=ピントが来ていない、ということだ。
ワークショップの撮影やプリント実習でさんざんやってきたことだが、今になってようやく実感として分かった気がした。ついでに言うと、自分のモノクロ写真に納得できなかった理由も分かり、まるで水を得た魚のような気分。
そういえば「カッコいい!」「自分もこんな写真撮ってみたい!」という写真のピントというのも、師匠に教えてもらったそれと同じだった。(しかも同じカメラなのに・・・。)そのピントというのが所謂「空気感」というものにも繋がるんだろうなという気もした。
ピントは「何を見ているか」以前の問題。しばらく今度はピントというのを意識して撮ってみよう、と思っても意外とコマが進まない。ヘタウマは伸びしろが少ないという話が頭を過った。
Untitled
カラー写真を30枚ほどプリント。
前回からだいぶ時間も開いて、現像液の状態も変わっているので、カラーダイヤルの調整にまず2時間ほどかかる。あとはそこから流れ作業で、ぽんぽん焼いて行く。焼くと言っても印画紙に投影したら、あとは機械が自動でやってくれるが。
何となく、カラーはシックリ来ないことが多くて、向いてないんだろうと思い込んでいたが、伸ばしてみると意外と面白い。何がどのようにカラー映えするのか分からないが「なんか良いかも」と思ってしまった。
師匠にもカラーのほうが向いてるねと言ってもらえたが、一枚一枚のpieceとかfragmentのセンスはあるけど、たくさんの枚数でひとつの物事を提示する(?)のはまだまだ、とのこと。実はこれ、自分でもワークショップ以前からの、どうしても解決できない悩みだったりする。組み写真とか、アルバム形式で作品をつくるのにかなり苦手意識がある。
とにかくたくさん撮って「自分が何を見ているか」を見つけねば。これが「オレの写真だ」と言えるようになってみたいもの。
前回からだいぶ時間も開いて、現像液の状態も変わっているので、カラーダイヤルの調整にまず2時間ほどかかる。あとはそこから流れ作業で、ぽんぽん焼いて行く。焼くと言っても印画紙に投影したら、あとは機械が自動でやってくれるが。
何となく、カラーはシックリ来ないことが多くて、向いてないんだろうと思い込んでいたが、伸ばしてみると意外と面白い。何がどのようにカラー映えするのか分からないが「なんか良いかも」と思ってしまった。
師匠にもカラーのほうが向いてるねと言ってもらえたが、一枚一枚のpieceとかfragmentのセンスはあるけど、たくさんの枚数でひとつの物事を提示する(?)のはまだまだ、とのこと。実はこれ、自分でもワークショップ以前からの、どうしても解決できない悩みだったりする。組み写真とか、アルバム形式で作品をつくるのにかなり苦手意識がある。
とにかくたくさん撮って「自分が何を見ているか」を見つけねば。これが「オレの写真だ」と言えるようになってみたいもの。
初プリント
6×6用ネガキャリアがまだ手に入ってないが、手慣らしに35で撮影したものを15枚ほどプリントしてみた。
はじめに六つ切りサイズの印画紙で2〜3枚プリントしてみて、露光はf5.6半と9秒で決定。ベタを見ながらどんどん焼いていこうと思ったが、水洗のためにいちいち風呂場に持って行ったり、洗濯バサミで吊るしたりするのに手間がかかって、プリントに集中するのが難しいと感じた。
他にも、倍率を変えるのに、伸ばし機の支柱に目盛りが書いてなかったり(しょうがないから目印にシールを貼ってある)、ヘッドの上下動の固定が甘かったり、構造上焼き込みがやりにくいのが気になったり、いざ始めてみると意外と不満が出てくることが分かった。
しかし、僕の厳しい懐では夢のまた夢、贅沢は言えない。プリントドライヤーくらいは欲しいかな。
タグ:銀塩写真
今日の収穫
中野の日東カメラ〜フジヤと回って、バット、イーゼルマスク、ピントルーペ、伸ばし機用のタイマーを購入。LPLの四枚羽根のユニバーサルイーゼルは中古ではあまり出回ってないので、運が良かった。(それでしかも美品だ)
まだ6×6用のネガキャリアだけ手に入ってないが、35なら今すぐにでもできそうな感じである。
お金を払って手に入れたとは言っても、なんだかお金の使い方に後ろめたいものを感じ、泥棒でもしているような気分。帰り道は片手では少々重たかった。
タグ:銀塩写真
Tokyo
(再掲)
新年早々いきなり壮大なことを書いてしまったが、ささやかな目標として今年は家で暗室ができればと思う。引き延ばし機は手に入れてある。モノはラッキーの6×9判集散光式で、当初はサークルにある故障した伸ばし機の代替として使う予定だったものだ。フジヤカメラで¥6,000ちょい。安いが、もちろん中古である。その後再びフジヤさんを訪れてみると、今度は故障したのとほぼ同じ型のが売られていて、使い勝手も変わらないから良いだろうと思って買ってしまう。¥9,000とちょっとだった。
ということで、願ったり叶ったりなのか知らないが、我が所有物となってしまった。あとは赤色灯やらタイマーやらバットを揃えるだけ。しかし家族の物置と化している自分の部屋、そのうえ大きな伸ばし機が「デーン」と居座っている。しばらくは片付きそうにないな。