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被写体の向こう側

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テレビを見ていたら動物写真家の岩合光昭が出ていた。NHKの「世界ネコ歩き」という番組だった。4/10(水)に放送される内容の予告編みたいなやつで、アメリカ、フロリダのキーウエストという町の猫ちゃんたちを訪ねるというもの。
この町では老後の人生を過ごす人が多く、温暖な気候で猫ものんびり暮らしている。その中で、岩合さん曰く、猫が生きていけるのは、町の人が猫を大切にしている証拠だとか。なるほど。被写体を通して人とか社会をどう見てるか・・・と、はっきり言ってワケではないが(ネコ特集だし)、多分そのような見方をしているんだろうなと思った。写真って物の見方とはよく言われる。

藤原信也も町にノラ猫が居るかどうかで、その町にどれだけ人の営みがあるか分かると、何かの本で読んだ気がする。

世界的にも岩合さんはかなり有名なのかどうか。『The Photo Book』という本には日本人も数人紹介されているのだが、その中に岩合さんも紹介されている。載っていたのは「サバンナからの手紙」の写真だったと思う。この本はちょっと欲しい。ずっと買おうと思っていたのだが、円安になってしまった。


The Photography Book

The Photography Book

  • 作者: Editors of Phaidon Press
  • 出版社/メーカー: Phaidon Press
  • 発売日: 1997/02/10
  • メディア: ハードカバー



タグ:GXR A12 50mm
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ブログ5周年

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おかげさまでブログをはじめてから5年になりました。

ブログを始めたのは、大学の写真サークルの同期に、一緒にやろうと声を掛けられたのがきっかけ。最初は撮って好きな写真をアップしていたが、2年くらい前から日記を書くようになった。意外に続いている。

この5年の間には、いろんなカメラを手に入れ、手放してきたが、しばらくは二眼のローライに落ち着いている。

最近暗室でプリントしていて思うのは、やっぱりローライでしか撮れないものってあるんだなぁということ。いや、逆かな、ローライで撮れないものは最初から撮れないのかな。

たまたま昨日はプリントしていた。
ローライでこそ撮れたであろう写真を、六つ切りの印画紙にプリント。写真をテーブルで並べてみると、ちょっと面白かった。何が面白いって、自分が予想もしなかった景色が見えた気がしたからだ。

例えて言うなら、渡部師匠が日記でガリガリ君とキウイを混ぜたスムージーが「これは当たった」と言っていたのに似てるかな、いや似てないか(笑)バナナを混ぜたのはマズかったとか言ってたっけ。。

ちなみに新潟の妻有トリエンナーレを見に行ったときのネガ。棚田のある風景なども一応撮ってみたものの、これはちっとも面白くない(=パナナ)。少なくとも6×6向きではない。偶然性に依存しているのもある。被写体に撮らされているとも。。撮れないものは撮れないんだな。

最近、被写体に撮らされているような、とか、撮るものが人まねのような気がしていて、写真が思うように撮れなかった。10月はネパール。旅で何を撮っていいのか、憂鬱な気分だったのだが、意外とちゃんと撮れていることが分かり、少し自信が湧いてきた。

・・・とまぁ、結局いつもと同じ日記になってしまいましたが(笑)

いつもご覧頂きありがとうございます。
今後も「旅はローライ。」をよろしくお願いします。

武田 鏡 拝

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タグ:GXR A12 50mm
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飽きない写真

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先日、某所で中藤毅彦さんの写真集「Enter the mirror」と「Winterlicht」を手に入れる。捨て値なのか、良心的な値段と捉えて良いのかどうか。前者は絶版で版元にも無いと思われるので、手に入れられたことが何より嬉しい。そして本当にカッコいい写真なのだ。

ふと思ったが、今年はまだ一枚も写真を買ってない。去年は勢い(だけでもないが)で、写真を買うという行為をした。そのうちの一枚は中藤さんの写真だ。今もフレームに入れて部屋の壁に飾っている。見ていて飽きない、ずーっと眺めていたくなる。
タグ:GXR A12 50mm
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写真家に非ず

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6年半にも及んだ大学の授業も終わり、宇宙の彼方を目指しているような気がしていた卒業が、いよいよ現実のものになりそうだ。そろそろ本格的に卒論を取り組まねば。

ちょっとしたバイトにありつくことができて、久々に働いた。働いてもお金を得るっていうのは良いよね。久々に充実した気分になった。

バイト先が、地元から電車で1時間ほどかかるので、行き帰りには原美術館で買った杉本博司の『アートの起源』を読んでいる。

杉本博司の作品に「放電場」というシリーズがある。放電を起こしたときに発生する稲妻をフィルムに収めたもの。雷には見えないが、どうやって写していたのか今まで気になっていたのだが、この本には書かれていた。

簡単に言ってしまうと、起電装置。電極と電極の間にフィルムを置き、稲妻をはしらせて写しているそうだ。それもエジソンなどが活躍した時代の文献まで参考にして、様々なタイプを実験したことが書かれていた。

他にもプリズムによって分光した光の帯を撮影した「偏光色」。色のグラデーションには「色即是空、空即是色」を連想し、この世界の全てがあるとかナントカ・・・とか着想点が面白い。
(追記:もう少し書くと、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫に分光した光は7色に分けているが、それぞれの色と色の間にはもっとたくさんの色があり、数値に置き換えられないグラデーションの部分に魅力を感じるのだそうだ。)


ここに書くわけにはいかないので、これは本屋さんで買って是非読んで欲しい。

それにしても、杉本博司というのは○○家なのか。杉本博司にとっては写真は単なる最終的なアウトプット(って言ったら良いのかどうか)として用いているだけに過ぎず、写真家と呼ぶには少し違う。現代芸術家が無難なところか。古今東西の文学歴史にも精通していてるので、キュレーターか、または哲学者だろうか。こういうふうに世界を見ているのかと、思わせられる。

電車の中で読んでいる自分はというと、写真で何かしようと思っていたが、そもそも間違っているのではないかと、薄々思うようになってきたのだが。それも、そろそろ確信に変わりつつある。写真やカメラありきでは表現は成立しないのだ。

もうしばらくバイトがあるので、本の続きは電車の中での楽しみに取っておこう。
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結局ローライになった(笑)

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何か違うことをやりたいとやりたいと思って、この前から35mm一眼レフとか、GR1とか言っていたが、結局二眼のローライに戻った。

ローライは大きいし重いし、最短撮影距離は1メートル、ピントも露出もフルマニュアルで、フィルムのコマ送りも、何から何まですべてが手動。正方形写真だから被写体は基本的に真ん中にしか置けないなどの制約もある。不便だらけのカメラだが、かえってそれが体に馴染んでいる。

ちょっと前に、35mmフィルムを自家現像して、ベタ焼きまで作ってみたが、プリントしたいコマがひとつもないのが残念だった。自分の目はローライでしか撮れないものを見ているのなら、他のカメラで撮っても成立しないのかもしれない。

でもたまには何か違うことをしてみたいところ。
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色が出てきた頃

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色が出てきたのは、この辺りから。

撮影は夕方。夕方に撮影したときに写る青色の感じが気に入って、この後はしばらく夕方の写真が続く。昼間は暑くて撮りに出かける気がしない、というのもあった。

フジのフィルムと、フジの印画紙の組み合わせは本当に鮮やか。中には「あざとい」とか言って嫌う人もいる。僕もどちらかというと好きではないが、そこでフィルムと印画紙を変えるほど素直な人間じゃないので(笑 これで何かできないかと思っていろいろと試行錯誤している。写真は、あるものでしか表現できないのがお約束らしいのだが、人と同じことやるのも面白くないと思う。
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ボツのボツより

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一年前、初めてのカラープリント。フィルムはフジのプロ400。印画紙はコダックのエンデュラのF面。この印画紙で作品づくりをしてみたかったが、残念ながらこの時には既に生産中止だった。このときの印画紙難民たちは、その後どうしたのだろう。

最初のカラープリントは、眠い感じの、トーンが寝ているような写真だった。デジカメで撮れば良いじゃんとか言われそうだ。カラーネガというのは本当はもっと深い色なんだろうけど、このときはまだコツが掴めなかった。

よくオシャレなカメラ雑誌などで、写真のキャプションに「ポートラ400NCで撮りました」みたいなことが書いてあるよね。最近思うんだけど、あれってフィルムだけではなく、印画紙の銘柄も載せるべきではないかと思う。

ポートラで撮って、写真屋でプリントして、あるいはCD書き込みして、同じような写真が出来上がると思って、最後ガッカリする人が居そうじゃないかと。誰のことかって、昔の自分のことだけどな。

目が肥えるってイヤね(笑)
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ボツ写真

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ブログのタイトルがローライなのに、ローライで撮った写真が無いのもオカシイので、去年撮ったボツ写真で。

何故ボツかというと、組めないから。組んでも、せいぜい3枚並べるのが限界。3枚じゃ飾ってもねぇ、見た人の記憶に残りにくい気がする。つまり飾っても意味がない、もっと言っちゃうと撮ったことにならないのではないかと思う。

そんなふうにイチイチ突き詰めて何が楽しいのかと思われそうだが、今は何撮っても(以前より少しは)自由に組めるようになったから楽しいわけだ。渡部さんがよく言う「オレって天才」っていうのは、このことらしい。

どのくらいボツがあるかというと、六つ切り100枚入りが7箱と、50枚入りが1箱ぶん。写真をたくさん隠し持っているとか言われたこともあるが、それだけあっても不思議なことに全然組めないのだ。

一枚撮って飾ることなら誰でもできる。それから脱して、写真をたくさん並べられるようになりたいと思ってワークショップ2Bを受講した。8つ積み上がった箱は悩んだ結果かな。

目指すのは、やっぱり個展かねぇ。まだ先が全然見えませんが。
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今日は暖かかった。

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最近、目覚ましがなる前に目が覚めるようになった。季節が変わったんだなと思う。

今日は大学の写真サークルで廃液回収があった。現像に使った薬品類はそのまま流せないので、専門の処理業者に回収してもらわなければならない。

100リットルで1万円。1リッターあたり100円ということになる。伝票を見てみると、処理方法の欄に「中和」って書いてあった。中和してどうするのだろう、川に流すのだろうか。。

昔は資源として回収され、廃液を「買って」くれたそうである。廃液から銀(フィルムや印画紙には銀が使われているため)を取り出して再利用していたらしい。今やってないということは、採掘された銀を買ったほうが安いんだろうな。

僕も自宅の部屋が暗室になってしまったので、個人で廃液を回収してもらえないか尋ねたら、大丈夫とのことだった。業者は主に写真屋や、病院でも回収しているそうである。サークルとか個人はあまり居ないのだろう。

何で病院なのかというと、レントゲン撮影。レントゲンって撮ったことないから知らないんだけど、レントゲン・・・つまりX線フィルムも現像液に何分って浸して、、まぁ機械で自動でやるんだろうけど、時間が掛かるものなのかね。

サークルの暗室に来たのは、多分、一年ぶりくらいになる。自分の名前が書いてある印画紙がいくつか出てきた。買った覚えがないのだが・・・。この後出かけるつもりでいたが、荷物が増えてしまったので、大人しく帰ることにした。

暗室作業などを学び、いろいろ思い出深い場所だが、もうここの暗室でプリントすることはないだろうな。
タグ:A12 50mm GXR
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カロタイプ見学

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カロタイプという、白岡順さんという方の開いている写真の講評講座を見学した。

参加者のほとんどがワークショップ2Bの卒業生のようで、話ではよく聞いていたが、今回初めてその様子を見ることができた。

内容は、作品の内容や、プリント、セレクト、作品のプレゼン能力(写真で何を伝えたいのか)のレベルを上げること、また自他の写真を見る目を養うというもの。

ひとりずつ、写真を大テーブルに並べて、周りと批評し合って、白岡先生の講評が入る。写真が洗練されている、では洗練とは何か、その写真の何(どんな要素か)を持って「洗練」なのか。その人らしい写真の「らしさ」とは具体的に何なのか、ひとつひとつ丁寧に説明していた。

とても刺激的で興味深い話がたくさんあったのだが、ひとたび僕の写真が批評に晒されれば、周りの意見に流されてしまうような気がした。

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うーん・・・。僕にはまだ早いかな、できるところまでは一人で続けてみようと思った。
タグ:GXR A12 50mm
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