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魂の写真

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何百枚写真撮るよりも、写真集買うよりも、一枚作品買うことが、とても重い行為でだと思う今日この頃。

昨年末、2Bで行われた中藤毅彦ビューイングに参加した。初期の"Enter the Mirror"など、"サハリン"など近年のシリーズまで、16年間の作品を見せていただくというもの。一連のシリーズを見終えた後は、作品が生まれた経緯や背景などのお話を聞く。


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僕が中藤さんを初めて知ったのは数年前で、サハリンの写真を発表したくらいのとき。でもコニカミノルタの展示には見に行けなかった。初めて作品を生で見たのは、去年の年明けくらい。渋谷の禅フォトサロンで、1995年と2010年の東京を撮った展示だった。95年はフィルム、2010年はデジタルだったが、違いが全く分からなかった。デジタルに変わっても中藤さんだなと思っていたが、どちらの作品が売れたかというと、9対1でフィルムで撮ったほう、と述べていた。一旦はデジタルに転向したものの、最近は再びフィルムで撮り始めたということで「安心した」という声がよく聞かれた。そういうものなのか。

ここでは直接本人から写真を買うこともできた。

僕も血眼になって必死になって選ぶ。が、どれを選んで良いか分からない。人の写真を買うのは2度目で、しかも今度は超がいくつ付くか分からない超有名作家。

迷った末に、僕が選んだのはサハリンの写真。電車で到達できるところから、さらに北へ行った、その場所で撮った一枚。最果ての写真だ。本人もとても気に入っているそうだ。

実はそのエピソードは、後から本人から伺った話。直接じっくり話を伺う時間もなく、半分賭けで選んだようなものだったが、中藤さんにしか表現し得ない一枚を選ぶことができて、僕も本当に嬉しかった。


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中藤さんが写真に目覚めて、早大を中退して、ビジュアルアーツでは森山大道のゼミに所属していた。そのころは森山さんの低迷していた頃で、ゼミには数名しか所属していなかったそうだ。授業へも行かず、街を撮り歩き、森山さんに見せること自体が目的化していたとのこと。

プレイスMなどでも展示をしていたが、写真家として活動して行く上でひとつの節目になったのがコニカミノルタフォトプレミオの受賞だそうだ。

その中藤さんが、いまフォトプレミオの審査員をしている。求める写真は、技術的な上手い下手よりも「魂のこもった写真」だそうだ。

壁に掛かった中藤さんの写真を眺めて、僕も「魂のこもった写真」を撮りたい!という気持ちが強くなってきた。
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