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CP+を見てきた

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パシフィコ横浜で開催されていた、CP+というカメラ機材の展示イベントを見てきた。

はじめに、ニコンブースに寄ってみると、ちょうど中井精也さんがD4とD800がいかに凄いカメラであるかを説明していた。ついつい聞き入っていたが、確かに凄いカメラだ。どんなにISO感度を上げでもノイズが出ない。特にD4はISO6400までは常用で使えるみたいだ。最高はISO204800とか言ってたが、ここまでくるとさすがにノイズだらけ。何に有効かというと、暗所でのライブビューモードでピントを合わせるに役立つのだとか。しかしここまで機能が進化すると、人の目には見えないものまで写りそうである。そうなると、自ずとそれらの機能を活かした新しい表現が出てくるのかもしれない。それこそ、ライカの登場とブレッソンの関係みたいに。今を生きる我々は、表現の最前線を目撃するのか。

今年はオリンピックがあるからキヤノンも黙ってはいないだろう。歴史に残る写真を生み出すカメラはどこのメーカーか、「我こそは」と言っているようである。

各社の最新製品をチラ見して、御苗場の展示へ。僕の友人が出展しているので、見にきた。ここには写真新世紀で入選した方も出ていたり、すごい面々だ。

いちばん考えさせられるきっかけになった作品がひとつ。10枚くらいあるうちの1枚を除いて、すべてピントを外してぼかしている。パッと見には、いま流行の?ハイキーで、彩度の控えめな、雑誌とかインターネットで見られるような感じの写真。って言ったら作者の方に怒られそうだが(笑) しかしキャプションを読むと、作者は視力が良くないらしい。今までは「見えること」に拘っていたそうだが、あるとき「見えないこと」から逃げていた自分に気がつき、それから向き合うようになった。それを表現しているそうだ。すごく納得。

写真がある種のものの見方の提示ならば、十人十色の表現になるはずだ。でも、相手に理解をしてもらうには、何らかの共通認識のようなものが必要に思う。写真は目に見えるものがすべてという前提になれば、共通認識という要素は、撮影やプリントやセレクトにかかってくる。

この作品は、知っているようで、知らない写真。これは何か大きなヒントになりそうだ。
タグ:GXR A12 50mm
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魂の写真

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何百枚写真撮るよりも、写真集買うよりも、一枚作品買うことが、とても重い行為でだと思う今日この頃。

昨年末、2Bで行われた中藤毅彦ビューイングに参加した。初期の"Enter the Mirror"など、"サハリン"など近年のシリーズまで、16年間の作品を見せていただくというもの。一連のシリーズを見終えた後は、作品が生まれた経緯や背景などのお話を聞く。


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僕が中藤さんを初めて知ったのは数年前で、サハリンの写真を発表したくらいのとき。でもコニカミノルタの展示には見に行けなかった。初めて作品を生で見たのは、去年の年明けくらい。渋谷の禅フォトサロンで、1995年と2010年の東京を撮った展示だった。95年はフィルム、2010年はデジタルだったが、違いが全く分からなかった。デジタルに変わっても中藤さんだなと思っていたが、どちらの作品が売れたかというと、9対1でフィルムで撮ったほう、と述べていた。一旦はデジタルに転向したものの、最近は再びフィルムで撮り始めたということで「安心した」という声がよく聞かれた。そういうものなのか。

ここでは直接本人から写真を買うこともできた。

僕も血眼になって必死になって選ぶ。が、どれを選んで良いか分からない。人の写真を買うのは2度目で、しかも今度は超がいくつ付くか分からない超有名作家。

迷った末に、僕が選んだのはサハリンの写真。電車で到達できるところから、さらに北へ行った、その場所で撮った一枚。最果ての写真だ。本人もとても気に入っているそうだ。

実はそのエピソードは、後から本人から伺った話。直接じっくり話を伺う時間もなく、半分賭けで選んだようなものだったが、中藤さんにしか表現し得ない一枚を選ぶことができて、僕も本当に嬉しかった。


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中藤さんが写真に目覚めて、早大を中退して、ビジュアルアーツでは森山大道のゼミに所属していた。そのころは森山さんの低迷していた頃で、ゼミには数名しか所属していなかったそうだ。授業へも行かず、街を撮り歩き、森山さんに見せること自体が目的化していたとのこと。

プレイスMなどでも展示をしていたが、写真家として活動して行く上でひとつの節目になったのがコニカミノルタフォトプレミオの受賞だそうだ。

その中藤さんが、いまフォトプレミオの審査員をしている。求める写真は、技術的な上手い下手よりも「魂のこもった写真」だそうだ。

壁に掛かった中藤さんの写真を眺めて、僕も「魂のこもった写真」を撮りたい!という気持ちが強くなってきた。
タグ:Workshop 2B
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今年も一年・・・

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いつもブログを読んでいただきありがとうございます。

今年は写真展を経験して、また写真を通じて、色んな人たちと繋がることができて、とても良い一年を過ごすことができました。

来年も、写真を通じて、あるいは写真じゃなくても良いかもしれないけど、多くの人と出会って、色々なものをギブ&テイクしていけたら良いなと思っています。

新年明けたらいきなり写真展です。展示と言っても、遊びでやっているようなものですが、今から縁起が良さそうな気がしてます。

今年もお世話になりました。
皆様も、良いお年をお迎えください。
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展示に参加します

新宿のヨドバシカメラで印画紙コーナーを見ながら、赤鼻のトナカイを聞くと年末を実感する。

金丸真でフレームを10枚確保して、ブックマット10枚に紙箱も注文。 今回はサラッと撮って、プリントして、すんなり組み上がったが、しかし金だけはアホみたいに掛かってしまった。展示とかやっている人なら分かると思う。個展ならもっと大変なんだろうな。それ含めても写真やるにはエネルギーが要る。

今回の展示は10枚の組みの予定で、9月の展示を含めると、合わせて16枚作ることになる。できるなら来年の夏くらいまでには、あと84枚プリントを作りたい。100枚プリントを作れば、何か見えてくるのではないかと思う。何かって、何だか分からないけど、方向性とかテーマ的なものとか。母数は一体、何百枚必要かという話だ(笑)
 

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タグ:写真展
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やっぱり青い

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カラーネガを10本から50枚ほどプリントして選ぶ作業。

適当に5〜6枚はサラッと組み立てられたが、7枚以上が難しい。最終的に展示する数の、10倍の母数が必要ということなのだろうか。10枚展示なら、100枚プリント、それなりに沢山のフィルムが必要だ。後で広い場所で並べ直してみたら、10枚組むことができた。悪くはないと思う。

人からよく青い写真と言われる。確かに自分もそう思うが、別にそれが好きで始めたわけではないのだが。やり方が悪いのか、どんなに色を真ん中に持っていこうと調節したつもりでも、やっぱり青い。印画紙がそういう性能なのだろうか。なるようにしかならないと最近は半ば諦めている(笑)どんなに足掻いても、機材やフィルム印画紙の性能に縛られる。アウトプットがすべてらしい。色味を抑えるという意味ではデジカメのホワイトバランスは良いのかもしれないが、デジカメはデジカメでまた別の問題があるんだろうな。

それにしてもフジの印画紙はとても鮮やか。自画自賛してるわけではないが、ポジティブな印象を受ける。以前に「色は、観る人を明るい気持ちにしてくれる」という感想をもらったことがある。なるほどね。
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「感度分の16」について

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前回、説明不足だったので少し説明を加えておきます。

「感度分の16」とは、渡部さとる師匠が編み出した露出決定法のことです。

晴れた日向で撮影するときに、レンズの絞りは「f16」に設定し、シャッタースピードを「1/使用するフィルムのISO感度」に設定する、というもの。

例えばフィルムがISO感度400なら「f16, 1/400」 ISO100なら「f16, 1/100
太陽はたったひとつなのだから、世界中どこへ行っても同じ露出で撮影できるという根拠です。

検索でも沢山ヒットしますし、師匠の著書『旅するカメラ2』で書かれていますので、是非読んでみてください。

これを身につけてしまえば、どんなクラシックカメラでも露出計無しで自由に操れますし、これを基にハイキー・ローキーなど好きなように撮りわけたりもできるというものですね。

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期限切れフィルム

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Rolleiflex2.8F(Planar 80mm)+ Ektachorome64

ブログのタイトルがローライなのに、ローライで撮った写真が無いのも変な話なので、たまには載せることにする。

EPR(エクタクローム64)で撮った写真が、現像から上がってきた。
ポジフィルムを使うのは、ほぼ一年ぶり。フィルムの消費期限はとっくに過ぎているが、現像してみて目に見えて分かる影響は、まだ無いようだ。

ネガにもポジにもフィルムには消費期限というのがあって、感光材を保護しているゼラチン層が乾いてしまう時期を指す。ゼラチンが乾くと感光材の銀が空気に触れて、徐々に酸化が進み(感光しているのと同じことになる)、モノクロネガはコントラストが低くなり、カラーネガは色被りをおこす。

以前にリサイクルショップで、期限が切れて7〜8年経ったポジフィルムを買ったことがある。コダックのE100Sと書いてある。試しに撮影して現像してみると、濁ったような感じで(?)、色のバランスも何か変。

別に作品を撮るっていうつもりでは無かったが、運が悪いことにそのフィルムで「これぞ!」という写真を撮ってしまった。今でも気に入っているし、自分の中でこれを超えるような写真は無いんじゃないかと思う、主観だけどね。それともビギナーズラックだったのか。何はともあれ、期限切れフィルムを入れていたのが今でも悔やまれる。ついでに言うと、ピントも少しズレている。

僕の個人的な話はどうでも良いとして、しかし風景はいつ突然目の前に現れるか分からない。だから少なくとも、フィルムはちゃんと写せるものを用意しておこうと思ったのだった。そして2B鍛えられた感度分の16があれば、どのカメラを持って、どこへ行っても大丈夫だ。

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Rolleiflex 2.8F(Planar 80mm) + E100S


EPRも今のうちに積極的に使っておこう。
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撮りおろし

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最近は再びゴミばかり撮っているのが気にかかる。露出も、撮影距離も、コントラスト比もすべてバラバラ。作品撮りも何も意識していないので、そうなるのは当たり前と言えばそうなのだが。これは非常にマズい。

大学の写真サークルのほうで、展示会の作品が集まらない、なんて話になっている。サークルに所属しているのに、作品出さないって人は一体何のためにサークルに・・・と言うところだが。そう言いながら、自分も今回は参加しないつもりでいたので、見過ごすのもどうかなという気がしてきている。

そのようなワケで、先日から再びローライでカラーで撮り歩いている。フィルムはネガかリバーサルで悩むが、期間は1ヶ月しかないのだから慣れたやり方のほうが良い。したがってネガになる。天才ではないので、果たして上手く行くのかどうか。しかし写真を撮る口実があるのは良いことだ。

1本目は試しに、エクタクローム64というフィルムを使ってみた。生産中止がアナウンスされて、60本ほど買い込んだものの、結局使わず冷蔵庫にしまったままになっていた。
普段使っているフィルムはISO400なので、ISO64だと約3段落ち(なのか?)。と、口で言うのは簡単だが、露出もISO400基準で覚えているので頭が混乱してしまう。結局2本目からはフジのプロ400になった。

日が短くて暮れるのが早い。5時というと、グループ展前の暑い時期だと、これから撮りに出かけようという頃。今の時期はもうすっかり暮れている。
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また写真が変わった

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ぎりぎり直前になって、いきなり写真の方針を変えることになってしまった。その悪あがきの撮影とプリント。

説明するのは難しいが、いきなり作風がガラッと変わった。何を撮るか、だいたいコントロールできるようになってきた。いちばん最近のプリントなら、どの候補の写真で並べ替えても違和感はない。狙っていると言えば確かにそうだが、でも何か珍しいものを撮って、ウケを狙うのでもない。

そんなワケで、内心ほくそ笑んでいたが、それも束の間。また産みの苦しみに直面している。これを乗り越えさえすれば展示にこぎ着ける。

展示が始まれば、それはまたそれで何か問題が起きるのだろうか。
タグ:GXR
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秋はもうすぐ、展示ももうすぐ

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日曜日、近所の西武園ゆうえんちで花火大会があった。毎年夏休み8月の毎週末なので、もう終わったかと思ったのだが。これで本当の今年最後なのか、いつもよりもボリュームたっぷりな感じ。終わると涼しげな虫の音が聞こえる。夏も終わり、なんだか淋しい気がする。

写真のほうは、ひたすら撮ってはプリントしてセレクトしての繰り返し。そしてダメ出しを受ける。いくら自分の一押しと思っていても、見てもらえなければ撮ったことにはならない。見てもらう人の目線に立った、写真のお約束は守ることだ。今になってようやく「撮って見せる」っていうことの意味がイメージできてきた感じ。

色々なところで是非是非とDMを渡したり、置いてもらったりしている。作品が完成しなければ合わせる顔が無い。最後の悪あがきに撮りに出かけるのだ。
タグ:GXR
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